写真はKPMGアイルランド 気候変動・脱炭素部門 グローバルリーダーのマイク・ヘイズ
2026年7月6日、SBTi(Science Based Targets initiative)とKPMGジャパンの共催により、「SBTi企業ネットゼロ基準Ver.2.0 日本ローンチイベント」が開催されました。
イベントでは、SBTi CEOのDavid Kennedy氏より、新たな「The Corporate Net-Zero Standard V2.0」の概要と改訂の狙いが紹介されました。また、SBTiに深い知見を有する有識者・団体による講演や、企業を交えたパネルディスカッションも実施され、日本企業が今後どのようにネットゼロへ取り組んでいくべきかについて多角的な議論が行われました。
主なポイント
今回のSBTi企業ネットゼロ基準Ver.2.0(以下、「新基準(V2)」)は、単なる基準の改訂ではなく、企業に求められる脱炭素経営のあり方そのものを見直す内容となっています。
イベントで特に印象的だったポイントをご紹介します。
1.「Ambition(目標設定)」から「Action(実行)」へ
新基準(V2)は、単なる目標設定ルールの見直しではなく、企業の脱炭素への取組みを「Ambition(目標設定)」から「Action(実行)」へと進化させることを目的としています。そのため、削減目標の設定だけでなく、移行計画(Transition Plan)の策定や進捗管理に加え、目標達成に影響を与える前提条件(dependencies)や阻害要因(barriers)について透明性高く報告し、継続的な改善を行うことが求められています。 脱炭素は環境部門だけの課題ではなく、経営戦略として全社で取り組むべきテーマであることが改めて強調されました。
2.5年ごとの目標設定、実行、報告サイクル
新基準(V2)では、2050年のゴールだけでなく、5年ごとに目標を設定・実行し、評価・報告する仕組みが導入されました。企業は5年ごとに進捗を評価し、その時点で最も新しい排出量データを基準年として次の目標サイクルを設定します。ネットゼロを遠い将来の約束ではなく、継続的な実行と改善のプロセスとして管理していく考え方が示されました。
3.「Best Effort Basis」という考え方
新基準(V2)では、企業に対し「Best Effort Basis(最善努力)」で目標達成を目指すことが求められます。企業は利用可能な削減手段を最大限活用し、課題や外的要因を透明性高く説明するとともに、次の目標サイクルで必要な改善を継続していくことが期待されています。そのため5年サイクルの評価でも、排出量の削減結果だけでなく、企業がどのように行動し改善を進めたか、また目標達成に向けた障壁にどのように対応したかを説明していくことが重要な評価要素となります。
4.新基準(V2)の本格始動は2028年から
現行の基準(企業ネットゼロ基準V1および企業短期目標基準V5)による目標は、2028年1月末まで申請が認められています。新基準(V2)での申請は、2027年2月より受付開始となり、2028年2月以降は同基準での申請のみが認められ、現行基準での申請は不可となる予定です。
詳細はぜひ動画をご覧ください
本イベントでは、上記ポイントのほかにも新基準の概要や企業実務への影響の理解を深めるうえで、有用な情報が議論されています。ぜひ当日の動画をご覧いただき、SBTiが示す「AmbitionからActionへ」のメッセージをご確認ください。
動画は「KPMG Japan Insight Plus」よりご覧いただけます。
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