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      不正事例と統計から、未然防止・早期発見の重要性と有効な取組みを解説します。

      ※本記事の執筆者本人が、スライド付きで解説する「会員限定コンテンツ」(無料)を視聴する。

      不正・不祥事の傾向


      KPMG FAS「Fraud Survey 日本企業の不正に関する実態調査」(2024年度版)によると、国内・海外ともに「金銭・物品の着服または横流し、経費の不正使用」が最も多い傾向にあります。2022年度と2024年度を比較しても、この傾向に大きな変化は見られません。

      なお、このトレンドは「Fraud Survey 日本企業の不正に関する実態調査」(2026年度版)においても変化はございません。

      不正・不祥事による影響


      着服・経費不正は単独で行われることも多い一方で、会計不正、キックバック、品質等の偽装は、複数の協力者によって長期間継続する特徴があり、損害額が大きくなりやすい点に注意が必要です。

      不正・不祥事の影響は、直接的な損害だけにとどまりません。上場違約金、課徴金、制裁金、損害賠償請求等の金銭負担に加え、役員の辞任・退任、リストラ、事業売却、買収、民事再生、上場廃止など、企業の存続や多くのステークホルダーに波及する可能性があります。

      • 実行者の役職による違い:ACFEの2026年調査※では、オーナー・経営幹部による不正の損害額中央値は従業員による不正の約9倍であり、トップの姿勢の欠如も主要因の一つとして示されています。
      • 取締役の義務・責任:取締役は、善管注意義務、監視・監督義務、忠実義務、内部統制構築義務等を負います。不正に自ら関与していなくても、不正を黙認した場合、予防の仕組みを構築しなかった場合、発覚後に不適切な対応をした場合には、刑事責任、民事責任、社内処分等を問われる可能性があります。


      出所:Occupational Fraud 2026: A Report to the Nations. Copyright 2026 by the Association of Certified Fraud Examiners, Inc.

      不正対応の取組みの効果


      ACFEの統計※では、不正の発覚経路の上位は、内部通報、内部監査、マネジメントレビューです。不正は長期化するほど損害額が増える傾向があるため、これらの検知手段を組み合わせ、早期に兆候を捉えることが重要です。

      • 内部通報:ACFEの統計※では、不正発覚経路の43%を占め、通報者の55%は従業員です。制度の周知、心理的安全性の確保、研修等によるコンプライアンス意識の醸成が、制度を有効に機能させるポイントです。

      ACFEの統計※によると不正対応コントロールにより不正による損害額を軽減させることが可能とされています。有効な不正対応コントロールの整備・運用による未然防止、早期発見が重要です。


      出所:Occupational Fraud 2026: A Report to the Nations. Copyright 2026 by the Association of Certified Fraud Examiners, Inc.


      最後に


      本記事のまとめ

      • 不正・不祥事をゼロにすることは困難ですが、未然防止と早期発見によって損害額を軽減することは可能
      • 未然防止、早期発見には不正対応コントロールの現状調査、課題把握に基づく不正リスク管理高度化が有効
      • 不正リスク管理×内部監査で役立つ記事・動画を実践編として配信予定

      KPMGによる支援


      KPMG Forensic & Risk Advisoryでは不正の発生時の初動対応から調査・再発防止・平時の予防・発見・検知に至るまで様々なサービスを提供可能です。

      不正リスクに係る内部監査についても、内部監査そのものの支援の他、管理体制の高度化も含めて実効性あるサービスを提供しています。

      興味がありましたらお問い合わせいただければと思います。


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      執筆者

      KPMG Forensic & Risk Advisory
      アソシエイト・ディレクター 西垣 大志


      情報技術の発展や新しいビジネスモデル導入など業界特有のビジネス環境や課題に対し、適正な監査やアドバイザリーサービスを提供します。

      フォレンジック専門家による有事発生時から、その後の再発防止、平時からの不正予防、発見・検知に関する高度なソリューションを提供しています。

      インシデント発生時の迅速な対応から、再発防止の体制整備、更に平時における不正等の予防、発見・検知の体制構築支援を通して、日本企業のインテグリティを確保した経営基盤の構築を支援しています。