企業の事業活動は、水や生物資源など自然に依存する一方で、過剰利用や汚染、気候変動の進行を通じて自然に影響を与えています。世界経済フォーラム(ダボス会議)で毎年発表されるグローバルリスクレポートにおいて「生物多様性の喪失」は世界の経営者たちが認識する重要リスクとして取り上げられており、事業継続リスクやレピュテーション、新規事業機会に関わる経営課題として無視できないテーマとなっています。
KPMGは、環境分野の専門性と財務・戦略の知見、グローバルネットワークを活かし、企業が自然と共生しながら持続的に成長するための取組みを支援します。以下のような課題に対し、分析から実行まで一貫した支援を提供します。
- TNFDに対応した分析・評価を効率的に実施し、事業活動と自然との関係を分かりやすく開示したい
- 重要な自然関連リスク・機会に優先順位をつけて対応したい
- TNFD開示にとどまらず、具体的な取組みを推進したい
自然・生物多様性への対応の全体像
サービス概要
TNFDに対応した分析・評価および情報開示から、戦略・目標の策定、取組みの実行支援、第三者保証までをワンストップで提供します。
KPMGでは、同一業界であっても事業形態や方針・体制によって自然との関わり方は異なるとの認識のもと、各社の課題や現在の取組み状況などに応じてプロジェクトアプローチを柔軟にカスタマイズします。また、気候変動や人権といった関連テーマを含めた統合的な支援が可能です。
KPMGは、商社、食品・飲料、電機・電子、建設・建材、不動産、素材、金融など、多様な業界へ多数の自然・生物多様性対応支援の実績を有しています。
KPMGの自然・生物多様性対応支援サービス
Service 1-A 専門家とのディスカッション
- 自然・生物多様性対応に関する最新動向や企業事例に精通したKPMGの専門家とのディスカッションを通じて、貴社にとっての論点や検討の方向性を整理します。
- 初期的な情報収集や課題認識の整理を目的とした意見交換(無償)としてご利用いただけます。
Service 1-B 勉強会の実施(役員/従業員向け)
- 経営層および社内関係部署の理解醸成に向けた勉強会を開催します。
- 自然・生物多様性に関する基本的な考え方に加え、規制などの最新動向、企業に求められる対応とその意義を分かりやすく解説します。
- 他社の対応事例や環境リスクが顕在化した事例を交えながら、実務上の留意点を具体的に示します。
- 経営層向け/実務担当者向け、また業界や企業固有の事情を踏まえ、内容はご要望に応じてカスタマイズします。
Service 2-A LEAP分析支援
- TNFDが推奨するLEAPアプローチに基づき、バリューチェーン全体を対象として、自然への依存・影響、事業上のリスク・機会を特定・評価します。
- KPMGではLEAPを形式的に適用するのではなく、分析結果を戦略や実行につなげることを重視し、独自のステップによるプロジェクト設計を行います。
- ISSB™/SSBJ基準への対応を同時に進めるアプローチや、ESG評価機関への対応も見据えた支援が可能です。
Service 2-B 自然シナリオ分析支援
- TNFDが示すシナリオ分析の考え方に基づき、自然シナリオを定義し、各シナリオにおける自然関連リスク・機会の将来変化を分析します(部分的な定量評価も対応可能)。
- 予想される将来変化に対してレジリエンスを確保するための対応策案を、SBTNが提唱するAR3Tフレームワーク※に沿って検討・整理します。
- 気候シナリオとの統合、リスク発現から事業影響が顕在化するまでのロジック整理、社内関係者が参加するワークショップの実施など、多様なアプローチを通じて分析結果の活用に向けた検討を支援します。
※ AR3Tフレームワーク:自然関連課題への対応を回避(Avoid)・低減(Reduce)・復元/再生(Restore & Regenerate)・変革(Transform)の優先順位で整理する行動フレームワーク
Service 2-C 情報開示支援
- TNFDの開示推奨事項に沿った開示案の作成を支援します。
- 形式的な開示にとどまらず、自然・生物多様性と自社事業との関係性を分かりやすく伝えるためのストーリー構築に関するアドバイスを行います。
- TCFD開示との統合や、TNFDレポートの作成支援、関連する開示データに関する第三者保証も提供しています。
Service 3-A 自然移行計画の策定支援
- TNFD開示の次のステップとして、LEAP分析で特定された優先課題を軸に「自然移行計画」の策定を支援します。
- LEAP分析結果の再解釈や、既存の開示内容・内部検討状況の整理を起点に対応策を優先順位づけし、全社方針や実行戦略、エンゲージメント戦略の検討、ロードマップ策定まで支援します。
Service 3-B 目標・アクションプランの策定支援
- 自然関連リスク・機会への対応を実効性あるものとするため、既存の環境目標の見直し・追加やアクションプランの策定を支援します。
- TNFD、ISSB/SSBJ基準、CSRD等での目標設定要件を踏まえ、国内外企業のベンチマーク調査を実施し、対象範囲・定量性・目標年・目標水準の観点から、自社戦略と整合した説明力のある目標案の作成を支援します。
- 目標案の実行可能性を検討するため、必要となる具体的アクションや時期を整理し、社内関係部署との調整を経て、目標達成に向けたアクションプランを策定するプロセスを支援します。
Service 4-A サステナブル調達支援
- LEAP分析で特定した重要なリスク・機会を踏まえ、環境・人権を統合的に管理するデューデリジェンス体制の構築・見直し、サプライヤー向け質問票の作成・更新、サプライヤー・エンゲージメントの推進など、責任ある調達体制の構築・高度化を総合的に支援します。
- 重要原材料のトレーサビリティ確保が困難な場合でも、Supply Shedアプローチ※を採用したサプライチェーン分析により、段階的に高リスクサプライヤーの特定を行います。
- アニマルウェルフェアに関する調達リスクが確認された場合、当該領域の専門家によるリスクの深掘り、ポリシー策定、対応策の検討等を支援することも可能です。
- 本支援は、責任ある調達(Tier1サプライヤー中心)の調査・是正プロセスに、サプライチェーン上流(重要原材料のTier2+)のリスク把握・優先順位づけを組込み、取組みの実効性を高めることを目的とします。
※ Supply Shedアプローチ:個別サプライヤーや生産地レベル(Supply Chain)での完全なトレーサビリティ確保が困難な場合に、企業が実際に調達していると合理的に説明可能な地域・市場(Supply Shed)を単位としてスクリーニングし、優先順位をつけて自然関連リスクを評価する考え方
Service 4-B 事業所における生物多様性取組み支援
- CSRとして取り組まれてきた事業所の生物多様性活動をネイチャーポジティブの文脈で再定義、あるいは事業所の周辺環境を踏まえた追加的な取組み案の策定を支援します。
- 既存の取組みにあわせたストーリーの構築や、事業所における生物多様性取組みのガイドライン策定、人材育成、外部ステークホルダーとの協働など、ご要望に応じた支援が可能です。
その他
- SBTs for Nature対応支援
将来的なSBTN(Science Based Targets for Nature)目標の設定を見据えた準備として、LEAP分析との同時対応やSBTNの方法論に沿った拠点評価、SBTNの方法論やツールに関する勉強会の実施にも対応しています。 - 生物多様性フットプリント算定支援
自然への影響を定量的に把握する手法である「生物多様性フットプリント」の算定および活用を支援します。事業や製品のライフサイクルに伴う土地利用・水利用・汚染などの環境負荷を統合的に評価することで、製品・原材料間の比較や、調達・設計段階におけるホットスポット把握といった活用が可能です。企業の体制にあわせた持続的なモニタリングシステムの構築や、結果を踏まえた改善案の検討も支援します。
※その他、ご要望に応じた支援を提供可能です
関連インサイト
自然資本・生物多様性に関する解説資料
KPMGが公表したレポートをご紹介します。
解説資料アーカイブ
TNFD、SBTs for Nature解説へのリンク
KPMGの特長
1. サステナビリティ分野での20年以上の実績
2004年にKPMGあずさサステナビリティ株式会社が設立されて以来、KPMGジャパンは20年以上にわたり、サステナビリティ関連業務を支援してきました。監査法人としての財務や経営に関する豊富な経験と知見に加え、環境学・生態学のバックグラウンドを持ち、長年の支援実績を有する専門家も在籍しています。
2.分析~戦略策定・実行~開示・保証を包括的に支援
KPMGはTNFD最終提言が公表される以前から、先進企業のLEAP分析を支援してきました。多数のLEAP分析を支援してきた知見から、初期段階で企業にとって有用な部分に絞った評価を実施した後に、より詳細な分析へと進める「二層パッケージ(簡易版+深掘り)」を提供することで、予算や社内体制に応じた柔軟な支援を提供しています。さらに、LEAP分析の結果を踏まえた自然移行計画の策定、目標設定、具体的な施策への落とし込み、開示対応や第三者保証まで、「分析・評価 → 開示 → 戦略・計画 → 実行」の自然・生物多様性対応プロセスをワンストップで支援します。
3.グローバルスタンダードの設定に関与
KPMGはタスクフォースメンバーとしてTNFDフレームワークの開発に貢献し、継続的に議論に参加してきました。またフレームワーク開発の基盤となった自然資本プロトコル※の日本語版監修や、ISSB/SSBJ基準における自然関連情報開示基準の検討プロセスへの参画など、重要なスタンダードに関する深い知見を有しています。
※ 自然資本に対する影響や依存を計測・評価し、意思決定や戦略策定のために標準化するための枠組み
4. グローバルネットワークと事例に基づく実務的な価値提供
KPMGのグローバルな自然・生物多様性分野の専門家ネットワークと連携しながら、最新動向や先進事例を取り入れた支援を行っています。状況に応じて海外メンバーファームの専門家が関与しながら、多様な業界における支援実績や標準化機関・学識者との対話を通じて得られた知見を活かし、最適な体制で業務を提供します。
関連サービス
関連リンク
ここで紹介するサービスは、公認会計士法、独立性規則および利益相反等の観点から、提供できる企業や提供できる業務の範囲等に一定の制限がかかる場合があります。
詳しくはKPMGジャパンまでお問い合わせください。