2025/12/10
KPMGジャパン CFOサーベイは、2019年の調査開始から今年で6回目となります。
米国政権の政権交代をはじめ、2025年の外部環境の変化は激しさを増し、企業経営における不確実性は高まっています。今回のサーベイは、このような状況における上場企業のCFOの課題、問題意識を明らかにし、企業価値向上に資するCFO組織・機能の在り方について考察することを目的に調査を実施しました。
ハイライト
1章:経営環境の変化
2章:企業価値向上への取組み
3章:先端的なテクノロジーの活用
4章:人的資本経営の実践
5章:CFOや経理財務部門の現状
※調査結果の全文はPDFをご覧ください。
主な調査結果
62%のCFOが1年前と比べて経営環境の不確実性の高まりを認識している
経営環境の不確実性を高める要因としては、企業規模に関わらず、為替・金利変動や米国政権による関税引上げが高く認識されている。グローバルに事業展開する大企業では、米国政権の動向がより注視されており、地政学リスクの高まりや経済分断が進む一方でサプライチェーンを急に変えることができず、経営環境の不確実性が急速に高まっていることが窺える。また、時価総額5,000億円未満の企業では、人口減少もより重要視されており、国内市場縮小への懸念が窺える。
図1-1 1年前と比較した経営環境の不確実性の変化に対する認識(単一選択)
図1-2 経営環境の不確実性を高める要因(最大5つ選択)
9割のCFOが企業価値向上に向けた取組みに課題を認識している
東京証券取引所の「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の要請による影響や変化として、最も多い回答は「株主還元を強化した」(58%)であった。
「開示内容を充実させた」「投資家との対話を増やした」など、投資家との対話強化の動きがある一方で、「経営陣がバランスシートを意識して議論するようになった」「自社ポートフォリオの見直しを進める契機となった」など構造改革へとつながる取組みの回答数はそれよりも下回っている。
また、企業価値向上に向けた自社の取組みの実行に対する自己評価として、91%のCFOが「課題がある」と回答した。資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応が形式的な対応にとどまり、実質的な対応にまで至っていない企業が多いことが窺える。
図2-1 東京証券取引所の「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の要請による影響や変化(複数選択)
図2-2 企業価値向上に向けた自社の取組みに対する評価(単一選択)
CFO管掌業務領域においてDXの成果を享受している企業は約1/3にとどまる
約1/3の企業が、CFOの管掌領域において、意思決定と業務の効率化の両方またはどちらかでDXの成果を享受している。
一方で、最も多い回答が「DXを進めているが、まだ成果を得られる段階にはない」(31%)であり、多くの企業においてCFO管掌領域におけるDXは道半ばであることが窺える。
図3-2 CFO管掌業務領域におけるDXの進捗(単一選択)
80%の企業で経理財務部門のリソースが不足している
経理財務部門のリソース不足が深刻化しており、経営意思決に対するサポート機能の強化が求められるなか、そのためのリソースが十分確保できていないことが窺える。
図5-2 経理財務部門の人員リソースの状況(単一選択)
※調査結果の全文はPDFをご覧ください。
調査概要
目的:CFOの役割、経理財務機能の課題等の定点観測と米国政権の政策変更や先端的なテクノロジーなどホットトピックに関連した課題・取組みに関する調査・分析
調査対象:上場企業のCFOまたは経理財務部門責任者
調査期間:2025年8月4日~2025年10月3日
調査方法:ウェブアンケートシステムによる回答
有効回答数:537社