グループ規程の整備・運用における主要課題
グループ企業の運営において、「規程」は単なる文書ではなく、組織の方針や判断基準を共有し、統制と透明性を確保するための重要なルールです。しかしながら規程の整備や運用は煩雑になり、グループ全体での整合性や現場への浸透、実効性が十分でないケースも少なくないため、意思決定の混乱やコンプライアンスリスクの増大、ガバナンス機能の低下を招くおそれがあります。
【よくある課題の一例】
グループ規程の高度化支援の概要
定義
グループ規程の高度化とは、企業グループ全体に適用される規程を体系的に整理・標準化するとともに、策定から運用・見直しまでのプロセスを整備し、継続的に実効性が担保される状態を構築する取組みを指します。
目的
- グループ全体で一貫した判断基準・行動基準を確立する
- 子会社を含めたガバナンス・内部統制の実効性を向上させる
- 規程の形骸化を防ぎ、現場で実際に機能する仕組みにする
- 法令・外部環境の変化に適時に対応できる体制を構築する
効果
- 意思決定の迅速化・高度化
明確で統一されたルールにより、判断の迷いやばらつきが解消 - ガバナンスの強化
グループ全体で統制の取れた運営が可能となり、不正・逸脱リスクを低減 - 業務効率の向上
重複・矛盾のない規程により、確認・調整コストや手戻りが削減 - コンプライアンス・監査対応力の向上
最新かつ整合性の取れた規程運用により、監査対応や説明責任を強化
KPMGのグループ規程の高度化支援のポイントとして、大きく2点が挙げられます。
1.グループ規程体系の設計・標準化
企業グループ全体における規程を棚卸・整理したうえで、ガバナンス方針に基づき階層構造や適用範囲を明確化し、一貫性のある体系として再構築することが重要です。
規程体系を整備・再構築することで、どの拠点においても同じ考え方・同じ基準で業務を進められるようになり、各社間での判断や運用のばらつきを抑制します。また、ルールを明確化・浸透させることで不正や法令違反の発生リスクを抑制し、結果としてグループ全体で統制の取れた経営基盤の確立につながります。
【グループ規程の体系図イメージ】
2.規程運用サイクルによる実効性確保
整備されたグループ規程は、「検知→作成→レビュー→承認→展開→運用→棚卸」といった一連のサイクルのなかで、継続的に運用されることが重要です。
規程は策定して終わりではなく、各社に確実に周知・浸透され、実際の業務のなかで適切に活用されている状態を維持する必要があります。そのためには、規程の改訂状況や運用状況を定期的に確認し、環境変化や法令改正に応じて適時に見直す仕組みを整備することが求められます。重要なのは、規程を「つくって終わり」にしないことであり、形骸化を防ぐためには、以下のポイントを押さえる必要があります。
(1)整合性:グループ内の各規程の関係性が明確で、内容が整合していること
(2)透明性:規程が確実に周知され、運用状況がチェックされていること
(3)最新性:規程が常に最新の内容に保たれていること
【規程運用サイクルのイメージ】
KPMGの支援
KPMGでは、グループ規程の高度化において、規程体系の整理、優先順位付け、規程ドラフト策定、海外子会社への周知・展開まで一貫した支援を提供します。
フェーズ1:現状把握
現行規程の棚卸や各部門ヒアリングを通じて、あるべき管理水準に照らした現状規程との整合性や、一般観点における過不足の有無を確認します。
フェーズ2:規程体系・運用モデルの設計
規程体系の階層構造や規程に求める要件・基準を整理するとともに、規程整備の実施主体の決定や規程の制定・改訂・展開に係る運用プロセスなどを設計します。
フェーズ3:規程整備計画の策定
棚卸結果に基づき、各業務領域において新規作成・改訂が必要な規程文書の優先順位付けを行うとともに、対応の方向性や期限を明確化し、整備計画(ロードマップ)を作成します。
フェーズ4:規程策定・展開
規程内容の具体化と、実運用に向けた設計・展開支援を行います。
KPMGの3つのこだわり
(1)豊富な実績に基づくベストプラクティスの提供
- 多数のグループ規程整備・子会社管理高度化支援の実績を踏まえ、一般論ではなく実務で機能する設計を提案
- グループガバナンス、内部統制、コンプライアンス、内部監査、リスクマネジメントを横断し、制度間の整合を確保した規程体系を構築
- 規程文書の作成に留まらず、権限設計・レポートライン・モニタリング・教育まで含めて運用可能な形に落とし込む
- 単発の規程改訂ではなく、グループ経営管理基盤の高度化につながる仕組みづくりとして支援
(2)グローバルネットワーク活用
- KPMG の各国メンバーファームと連携し、各国法令・規制・商慣習を踏まえた現実的な制度設計を支援
- 本社視点だけでは見落としがちな海外拠点固有論点を把握し、各地域の実態を反映した運用設計が可能
(3)現場に根差した伴走型の実装支援
- 規程を「つくって終わり」にせず、現場で機能する運用への実装まで見据えて支援
- 各部門との利害調整や経営層との合意形成が必要な場面で、事務局機能を担いながらプロジェクトを推進
海外子会社を含むグループ規程体系の見直しや、規程運用の実効性向上について、課題やお悩みがありましたら、お気軽にお問い合わせください。