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      日本に本社を置く企業にとって海外子会社監査は、現地法令・商習慣への一層の理解や高度な語学力が求められる一方、限られた期間のなかで的確な監査判断を行う必要があるため、実務上の負担が生じやすい業務といえます。

      KPMGは、グローバルネットワークを通じた豊富な支援経験と知見を基に、海外子会社監査における過去実績および外部情報の収集・分析の効率化と、発見事項および法令違反可能性判断、改善提案を支援するAIエージェントを開発しました。本ツールは、海外子会社監査の実効性向上と、従来の監査手法を補完する新たな価値創出に貢献します。

      海外子会社監査における従来の課題

      従来の海外子会社監査では、限られた往査日程のなかで広範な業務領域を評価するため、以下のような課題があります。

      (1)現地法令や商習慣を深く理解した国内の監査人材が不足している。

      (2)言語の壁により、証憑の読み取りや監査対応の効率化が困難である。

      (3)熟練した監査人の知識・経験がなければ、地域特性を考慮した的確なリスク認識や発見事項の判断、具体性のある改善提案の検討が困難である。

      このような課題への対応策の1つとして、監査人が作成する監査調書を起点に、発見事項や改善提案を導き出すプロセスの一部を自動化することが有効と考えられます。具体的には、AIエージェントを用いて過去の監査知見や社内ナレッジ、国内外のリスク情報を集積した知識基盤を活用し、監査調書の内容を分析することで、発見事項や改善提案を自動的に提示させることが可能です。

      KPMGは、こうした仕組みを実装するために、LLM(大規模言語モデル)などの先進技術を活用し、海外子会社監査を支援するAIエージェントを開発しました。

      【処理フローの概要】
      Japanese alt text: AIエージェントによる海外子会社監査の支援_図表1

      *大規模言語モデル(Large Language Model)の略。
      膨大なテキストデータを学習し、人間のような自然な言語を生成するAIモデルのこと。


      AIエージェントによる往査プロセスの高度化

      KPMGが開発したAIエージェントが、海外子会社監査の往査時における発見事項や法令違反可能性の検出をサポートすることにより、次のような効果が期待され、監査業務に要する工数の削減が見込まれます。

      • 本AIエージェントが、客観性の高い発見事項や改善提案を検出することで、監査人の経験差に起因する監査品質のばらつきを抑制します。

      • 本AIエージェントが、経験豊富な監査人に対しても、共通する基礎情報を提示することで思考や検討に伴う負担を軽減し、監査判断の客観性および一貫性の向上に寄与します。

      本AIエージェントの特長

      本AIエージェントはウェブアプリケーションとして提供されており、現地監査人を含む利用者は、AIに関する高度な知識を必要としない直感的な操作で監査実務に活用することができます。本AIエージェントの特長は以下のとおりです。

      • 高品質データベース基盤:KPMG独自のナレッジや公開されている国内外の法令・リスク情報等、KPMGのアドバイザリー業務を通じて収集された、広範囲かつ価値のあるデータを厳選して蓄積しています。

      • 多言語対応・ドメイン特化型モデル:複数の言語セットで学習したモデルにより、言語の違いを超えて、意味を捉える検索を可能にします。加えて、小規模な追加学習モデル(Adaptor)を用いることにより、法令・内部監査に特化した専門性の高いモデルを効率的かつ高精度に構築します。

      • マルチタスクAIエージェント機能:複数タスクを同時に実行し、1回の対話で迅速かつ的確な回答を生成します。
      【特長的な機能】
      Japanese alt text: AIエージェントによる海外子会社監査の支援_図表2

      利用イメージ

      監査人は、指定フォーマットで作成された監査調書を現地で本AIエージェントにアップロードし、チャット入力フォームから定型の指示(プロンプト)を入力することで、発見事項や改善提案が含まれた回答ファイルをダウンロードできます。その後、回答を確認し、提示された内容の採否を判断したうえで、監査結果を最終化します。

      このように、本AIエージェントを活用することで、監査人は簡易な操作で、恣意性を排除したデータドリブンな発見事項や改善提案を短時間で取得できるようになります。

      【利用イメージの具体例】
      Japanese alt text: AIエージェントによる海外子会社監査の支援_図表3

      * 回答ファイルの内容は一例であり、同一の監査調書を入力した場合でも、出力結果は異なることがあります。


      今後の展望

      KPMGは、本AIエージェントを活用した海外子会社監査の支援を、すでに複数の国内企業に提供しています。

      今後は、企業固有のガバナンス体制や業務特性に加え、新たに海外子会社の設置を進める地域ごとの法令・リスク特性を、企業別・子会社別に段階的に反映することで、監査支援のさらなる精度向上と標準化を目指します。

      また、本AIエージェントの基盤を有効活用し、個社固有の監査業務やリスク特性に適応する拡張版のAIエージェントへカスタマイズすることで、企業の実態に即した、より実効性の高い海外子会社監査を支援します。

      AIエージェントによる海外子会社監査の支援

      AIエージェントによる海外子会社監査の支援

      発見事項および法令違反可能性判断を支援

      基準の適合性に加え、蓄積されたリーディングプラクティスを基に外部評価を実施し、内部監査品質の保証と有効性向上に向けて支援します。

      内部監査の実務と高度化|情報・ナレッジ集

      KPMGは、生成AIをはじめとする先進テクノロジーの活用と実効性の確保を通じて、組織体の価値向上と持続的成長に貢献する内部監査部門を支援します。

      グループ全体のリスク対応力向上に寄与する各企業の最適な内部監査態勢の確立・高度化を支援します。

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      KPMGコンサルティング

      戦略策定、組織・人事マネジメント、デジタルトランスフォーメーション、ガバナンス、リスクマネジメントなどの専門知識と豊富な経験から、幅広いコンサルティングサービスを提供しています。

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