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      1.はじめに

      本シリーズではこれまでに、規制的措置・法改正を通じた国による企業取引への介入の概要や、物流関連2法改正の概要、国交省トラックGメンによる是正措置への予防と対応について解説してきました。これらはいずれも「物流革新」として国が進める取組の一環ですが、この取組みの柱として掲げられているのが、トラック事業者の賃上げです。トラックドライバーへの残業規制による、いわゆる「2024年問題」においても、国内の物流コストの増加について論じられることが多いですが、具体的にいつまでに、どの程度の上げ幅で上昇していくのでしょうか。トラック事業者の経営環境を踏まえた物流費上昇の予測について、本稿から3回にわたって解説します。


      川嶋 優喜

      KPMG FAS シニアマネージャー

      KPMG FAS

      2.トラックドライバーの賃金水準

      トラック事業者の賃上げの前提となるのは、ドライバーの待遇の問題です。バブル時代には年収1千万円を超えるドライバーがいたという時代もありますが、自由経済の促進を前提にした規制緩和により、トラック事業者数が大幅に増加した結果、競争が激化し、現在では長時間拘束にも関わらず賃金水準が低く、非常に厳しい待遇といわれています。

      3.トラック事業者の利益・コスト構造

      ドライバーの待遇に問題があるのであれば、改善すればよいと考えたいところですが、雇用主であるトラック事業者の経営環境も同じく非常に厳しい状況となっています。この点について、まずは、全日本トラック協会の令和3年度「経営分析報告書」を見てみましょう。これは全日本トラック協会が全国の事業者(令和3年は2,826者)が提出した決算版の事業報告書を分析した資料で、その中に「一般貨物運送事業損益明細書」という情報、いわゆる損益計算書があります。

      4.トラック事業者の仕事の受け方

      トラック事業者はどのような仕事の受け方・組み方をすることで、収益性を確保しているのでしょうか。シンプルにイメージするためにトラック1台チャーターで長距離輸送を行う場合を前提にすると、トラック事業者の仕事は大きく3種類に分けることができます。

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      執筆者

      KPMG FAS
      シニアマネジャー 川嶋 優喜

      KPMG Japan Supply Chain Advisory Leadership(KPMG Japan SCALe)リードパートナー
      KPMG FAS
      執行役員 パートナー 岡本 晋

      KPMGジャパン インフラストラクチャーセクター
      運輸・物流・ホテル・観光セクター
      KPMG FAS
      ディレクター 小野 砂知子

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